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ユニークな中国お菓子包装
2019年10月6日
10月は中国の国慶節。今年も多くの中国人観光客が日本にやってきています。この大型連休を利用して日本に来るのは中国人だけではありません。中国に駐在する日本人の多くが一時帰国するシーズンでもあります。今回紹介するのは、当社の中国駐在員のお土産の包装についてのお話です。(この記事は2019年10月6日に作成したものです)
食品を湿気から”守る”?
お土産にもらったのは、乾燥したナッツと、少し湿った感じのドライフルーツのお菓子です。袋の表面を見ても、ただのお菓子にしか見えないのですが、裏側を見るとどうやらこの袋に意味がある事がわかります。
もちろん中国語を読めない同僚は、「ナッツ美味いね」「このドライフルーツって何の果物?」って言いながら食べてましたが、袋のメカニズムが気になる人はいませんでした。
私が説明すると、「日本では見たことないね」「湿気がナッツに移らないようにしているのかな?」という意見でした。そもそも包装の機能が見た目で分からないという点は気になりますが・・・。
実際に食べた感想はこのレポートの最後に紹介します。
袋の表面
袋の裏面
袋の中央にある不思議な谷間。これは一体どのようなお菓子なのでしょうか?一緒に確認していきましょう。
まずは、食べ方を確認
食べ方の説明
袋の裏面の説明を読みましょう。
STEP1
上の部分を普通に開けて下さいということみたいですね。
STEP2
融着させた部分を引っ張って開きましょう。
STEP3
振って下さい。と書いています。
一体どのような、お菓子なのでしょうか?
STEP1
袋を開けます。
ハサミなどを使わなくても簡単に切れました。ここはいい感じです。
中身を確認しましょう。
左側にはドライフルーツ、右側には乾燥したナッツが入っています。袋の中央は熱融着で貼り付けられています。
この袋の形状って食べにくい。袋の小部屋が狭くて手も入らない。片方だけ出して食べたくて傾けると、もう一方も出てきそう。同僚はどうやって食べたんだ?(笑)
STEP2
説明通り、袋を両側に引っ張りながら熱溶着した部分を剥がします。
軽い力で簡単に剥がすことが出来ました。途中で破れる事もありませんでした。
(先ほど取り出したナッツとフルーツはもちろん中に戻しましたよ)
熱融着をの部分を袋の底まで剥がしました。ナッツとドライフルーツはまだ混ざっていません。
STEP3
左右にシャカシャカ振ります。(ファーストフード店のフライドポテトからヒントを得たのでしょうか?)
一応これで完成!
なかなか混ざらなくて、何度も振ったおかげで、何とかナッツとフルーツを混ぜ合わせることに成功しました。
これなら手を入れて中身を取り出すことも出来ます。案外よく考えられたパッケージなのかも(笑)
いざ 実食!
お味の方は、ナッツとフルーツを一緒に口に入れることで、塩味と甘みが双方引き立つという印象。中国四千年の歴史に裏付けされた絶妙(微妙)なテイストがお手軽に食べられるという意味では素晴らしい工夫をこらしたパッケージと言えなくもありません。
日本でも接着剤のA液・B液を混ぜるという包装はありますが、食品でも活用できるアイデアなんですね。袋の中で食材を混ぜるというのは、バスや鉄道で長い時間を移動する中国ならではのアイデアなのかもしれません。
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