中国”卵”梱包事情・・・ 包装事例紹介

2021年12月22日

シェアする

twitter facebook LINE


今回は駐在員時代の中国人の友人が中国SNS(WeChat)に投稿した卵の梱包が面白かったので紹介します。

箱がカラフル

まずは外観から。印刷がカラフルな段ボール箱は手提げ付き。ニワトリの親子が食卓を囲んでいますが、目玉焼きをはじめ卵料理が並んでいるようです。考えてみると少しシュールですが、卵が入っている事はよく分かります。(美味しく食べてねって事でしょうか?)

因みに箱の側面に書かれている「鲜鸡蛋」は、日本語で“新鮮鶏卵”と言う意味です。それでは包装仕様を見てみましょう。

緩衝材がすごい!

箱の中見は真っ白な緩衝材がびっしり入っています。緩衝材の穴の部分に卵が入る構造になっています。この白い緩衝材は厚み5ミリ程度の発泡ポリエチレンフォームを貼り合わせた積層品です。日本では、押し出し成形で一枚の厚みが10センチ位あるフォームが主流なのですが、中国では積層品がスタンダード。フォームを熱で貼り合わせるので、溶けて固まった部分と発泡したままの部分がミルフィーユのように交互に積み重ねられています。

加工方法

この積層フォームの加工方法ですが、裁断する時はバンドソーを使います。この写真のような丸い穴を開ける場合はトムソン加工(抜き加工)を行います。

写真の物は大小の穴が見えるので、1)トムソン加工で穴の大きさの異なるフォームの板を作る 2)2種類のフォームを貼り合わせていると考えられます。ちなみにフォーム同士の接着方法は工業用ドライヤーの熱風で表面を溶かして貼り合わせるのが基本。ですが、今回くらい面積が多いとホットメルトを使ってるかも?

中国人もビックリ‼️

この写真に添えられたメッセージがこちら。

「奥さんがいつも買ってる卵の梱包材を初めて見たよ。自分で計算したけど、包装材だけで商品価格の30%を占めてる(驚き)❗️」

中国のスーパーでも日本同様にPETシートの成形トレーが普通ですから、彼の驚きにも強く同意です。材料費だけでなく、これだけ卵と卵の間隔が大きいと、梱包箱が大きくなり輸送コストも高そうです。(CO2排出量も心配です)

しかし、この箱の豪華さには中国特有の面子(メンツ)文化の影響があると思います。(日本でも面子と言う言葉を使いますが、意味が違うんです)

中国では経営者など富豪と言われる人達の多くが高額で豪華な物を進んで購入します。これは面子のある人達の振る舞いとして必要だからです。その為、ちょっとした食品の包装容器でも、見た目が派手で豪華(そうな)布貼りになっていたりします。

友達である彼もボックスメーカーの経営者。奥さんも旦那さんの面子の為に豪華な梱包箱の卵を買っているのではないでしょうか?或いは良い卵に相応しい豪華な包装なのかも(笑)

しかし、SDGsの観点から考えると、商品によっては豪華パッケージも控えた方がいいように思いますね。

ところでこの卵、味については全く触れてないですが、きっと美味しいですよね。

hs_Vol0041

会社概要 包装設計 の情報など、色々紹介しています。詳しくはアイロップ株式会社のトップページからご覧ください

シェアする

twitter facebook LINE