緩衝設計について考える -包装設計のススメ11-

2022年1月29日

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はじめに

去年から緩衝設計技法をテーマに何か書こうと思っていたのですが・・・全然まとまらなくて苦しんでいました。なんとか短くまとめたいと思っていたのですが、まとまらない状況でした。ということで、複数回に分けていろいろな事を書いてみたいと思います。

包装は輸送時の衝撃から商品を守る

容器包装の機能の一つに、商品を輸送時の外的衝撃から守る事があります。
そもそも商品には用途目的に応じて色々な機能が備わっています。 例えばキッチンで使用する電子レンジンには、食品を美味しく温める為、電圧や加熱時間を変更できるタイマーなどがついています。しかし、使用時に移動させることはめったに無いため、落とした時に耐えるような強度は備わっていません。(比較で言うと、スマートフォンは使用時に落とされる可能性があるため、落下衝撃で簡単に壊れない機能が備わっています。)
しかし、輸送時に壊れやすいのでは商品として不十分。そのため輸送時に壊れ難くする機能を包装が補います。

外部からの衝撃の種類

代表的なものを紹介します

落下衝撃

瞬間的に発生する衝撃です。運んでいる最中に誤って落としてしまうだけでなく、重たい荷物であれば引きずって運ばれ、小さな段差で下に落ちて衝撃が加わる事があります。或いは運送中、トラックが急ブレーキをかけた為に荷物が移動し、荷室の壁や他の貨物とぶつかることがあります。
人が運べる大きさ・重さの物であれば、お店で購入したお客様が持ち帰る途中にうっかり落とす可能性もあります。

振動

トラックや船舶、航空機での輸送中に発生する衝撃です。細かな振動長時間続くことがポイントです。商品の表面と容器の摩擦によるダメージの他に、振動の周波数により商品が共振をおこし、商品内部の脆弱部が破損する事もあります。実は結構厄介です。
また、船舶での輸送の場合は海上の波で大きく揺れる可能性もあります。これは揺動(ようどう)と言われます。

圧縮

(これは衝撃ではありませんが、ダメージの一種として紹介しておきます)
倉庫などで長期間商品を保管する時に、上の荷物の重さで押される力のことです。最近では物流倉庫に大きなラックが設置され、あまり高く商品を積み上げる事は減りましたが、海上輸送コンテナ(40feetコンテナとか言われるもの)では、内高いっぱいまで積み込んだりするので、気をつけたいです。

商品を守るために

これらの衝撃から商品を守るために最は、商品の強度を把握することが必要です。そこで、私達は商品のどの部分が衝撃に強いのか、どの部分が壊れやすいのか確認します。
商品を箱の内部で固定するために、平面で強度のある部分を探します。その部分に発泡スチロールなどクッション材を当て、箱の内面から商品まで間に衝撃を吸収する距離をつくります。また、可動する部分や飛び出した部分は、壊れやすい場合が多いため、直接衝撃が加わらないようにします。

まとめ

  • 商品には輸送時の強度が不足している場合がある。
  • 輸送時の衝撃には、落下・振動など種類がある。
  • 容器包装は、輸送に耐える強度(機能)を商品に付与する事が出来る

容器包装が衝撃から商品を守る事は理解していただけたでしょうか?もっと詳しく知りたい方は、アイロップのホームページにお問い合わせ下さい。

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会社概要 包装設計 の情報など、色々紹介しています。詳しくはアイロップ株式会社のトップページからご覧ください

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