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物流コストと包装 -包装設計のススメ3-
2021年10月19日
前回のブログで、工業包装には「物流費用のトータルコストダウン機能」が求められることを紹介しました。しかし、これってどういう事なのでしょうか。
物流を包装でトータルコストダウン?
物流費を下げる方法として思いつくものは何でしょうか?費用の安価な運送屋さんにお願いする、安い梱包材を調達するといったアイデアが出てきますが、私もアイロップの社員ですから、プロっぽく考えて見ることにします。

物流とは活動です
いきなりですが、物流とは「商品を保管し、商品を移動させる活動」の事を言います。配送、保管、出入庫、荷揃えを含む拠点内作業など、物流には様々な活動が存在します。そして、これらのコストを決めるのは、投入要素(人、トラックなど輸送機、倉庫、場内設備、包装容器など)と言われるハードウェアです。それぞれが個別に見えますが、全ての要素が物流活動に影響を与え、物流費用(コスト)に影響を与えるのです。
包装の影響とは
投入要素に含まれる、包装容器の与える影響(効果)について説明します。例えば、商品を梱包する箱の大きさを出来るだけ小さくする事で、一度に多く運ぶ事が出来るようになったり、倉庫により多く在庫が出来るようになります。(運送費用の合理化 保管効率の向上)。人の運び易い形や重さになれば、荷揃えがスムーズになります。また、梱包作業が簡単な包装容器にする事で、同じ時間内で梱包出来る数が増加します。(生産性の向上、工数の削減)。

だからと言って、これらの効果を全て一つの包装容器に盛り込むのは至難の業。あっちを立てればこっちが立たずという事も良くあります。そこで、物流のそれぞれの活動に対してバランスの良い仕様に纏める事が求められ、その実現が「トータルコストダウン」に繋がります。
ベストが無いのが包装!
新入社員だった頃、先輩社員に言われた「包装仕様にベストは無い」という言葉を今でも時々思い出します。これは完璧な物が作れ無いという意味ではありません。同じ商品の包装であっても、物流環境や色々な条件に基づき包装設計を行う為、設計者によって異なる包装仕様が出来上がるからです。
もちろん設計者の経験や知識も影響しますが、優劣の結果では有りません。設計者一人ひとりが「トータルコストダウン」が実現出来るようベストを尽くして考え抜いた結果なのです。
hs_Vol0032
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