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包装資材の秘密 -包装設計のススメ5-
2021年10月26日
異なる用途から生まれた包装資材たち
私が会社に入った頃に教えられたのは「包装にはいろんな物が使えるよ」ってこと。当社はメーカーではない為、アイデア次第で色々な物を包装用途で活用しますが、これは私たちだけのアイデアではありません。現在包装資材として普通に使われている物でも、開発当時は異なる用途で作られた物があります。有名な物を三つ紹介します。
発泡スチロール は、断熱材?
元々はコルクの代わりに冷凍・冷蔵用として開発されました。その後、発泡スチロールの優れた性能を活かし、生産食品の輸送箱や家電やOA機器の緩衝材として使われるようになったそうです。梱包材としての需要の他に、ヘルメットの中の緩衝材や工業製品の断熱材など色々な所で使用されています。日本の発泡スチロール製造メーカーに”〇〇コルク”という会社名があるのは、名残なんですね。
詳しくは、今さら聞けない 本当は硬い?発泡スチロールの話くもご覧ください。
エアバッグシート は、壁紙?
川上産業さんのプチプチに代表される空気の入った粒の並んだポリエチレンシートですが、元々は簡単に清掃できる壁紙を作ろとし、紙の上にビニルシートを貼り付けたところ、誤ってビニルに気泡が出来てしまったことから、気泡緩衝材が誕生した。因みに、壁紙を作ろとした二人は、「シールド・エア・コーポレーション」を設立し、これをビジネス化しています。尚、商品名は「Bubble Wrap」(バブルラップ)として、商標登録したそうです。

(写真は、酒井化学工業さんのミナパックを使った”ひっくりカエルパック”)
段ボール は、帽子の部品
これは業界では有名な話ですが、シルクハットの内側に通気性とクッション性を持たせるために使用するものとしてイギリスで開発されました。その後アメリカで包装材として使用されるようになり、”わら”や”おがくず”などの緩衝材に代わるものとして、ランプなどガラス製品の保護に利用されるようになりました。最初は”くりっぱなし”と呼ばれる、波型の紙(フルート)だけの状態でしたが、1800年代の終わりの頃には両面にライナを貼った、現在で言う「段ボール」の形になり、梱包用外装ケースとして使用されるようになったそうです。

包装資材には色々な歴史があるんですね。最近はインターネットで色々な情報を見つけることが出来るようになりました。皆さんも興味があれば調べて見て下さい。面白い情報が見つかるかも。
hs_Vol0034
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