サステナブルな世界を目指すSDGs。私達の携わる包装分野でも色々な取り組みが期待されています。日本でも数年前からレジ袋の有料化が始まりましたが、地球環境の保護と包装の関係ってホント深いです。

脱発泡スチロール

私も今の会社で働いてもう少しで30年。入社した頃を思い出すと、発泡スチロールを燃やすとダイオキシンが発生すると言われた時代です。お客様から「発泡スチロールを使わないようにしたい」と言うリクエストが結構有りました。当時は業界全体で、段ボール組み立てブロックを開発してました。パルプモールドが電気製品の梱包に使われ出したり、色々チャレンジしてたと思います。

木箱が少なくなった

色々な意見があって、発泡スチロールとダイオキシン発生の関係はハッキリしないのですが、とにかく段ボールの組み立てブロックで電気製品などの緩衝包装を行う分野が発展したのは間違いの無い事実。

遡れば、段ボール箱の普及で木箱も少なくなりました。私の父親の世代は、リンゴの木箱を机の代わりにして勉強していたそうですが・・・今では段ボールの組み立て家具で「机」があるのですから技術の進歩ってスゴイですね。

そしてSDGs

前置きが長くなりましたがいよいよ本題です。時代のニーズや技術革新によって変化を続けてきた包装ですが、サステナブル（持続可能な世界）を作って行くためにはとても重要な役割を果たします。SDGsには、１７の目標があり、包装が関係するのは、【目標12：作る責任　使う責任】にある「廃棄物の発生を大幅に削減」と言われています。

カーボンニュートラル

製造時に発生する温室効果ガスを減らす事も忘れてはならない取り組みです。そこでちょっと気になるのが、段ボールなど包装材料の製造過程です。製紙工場に行かれた方はご存知だと思いますが、水に溶かしたパルプを乾燥させるには、大量のエネルギーが必要です。また、段ボールはコーンスターチを高温の水蒸気で吹き付けることで貼り合わせて作るため、ここでも多くのエネルギーを消費します。これらのエネルギーを作るため利用されてきたのは、石油など化石燃料。今のままでは二酸化炭素など温室効果ガスが発生します。しかし、最近では色々な分野で技術革新が進んでいますし、必要な熱エネルギーをクリーンなエネルギーから作ることで解決できると思います。