包材の購買担当者必見!段ボールの㎏単価ってなに? 

2023年5月10日

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ども 名古屋営業部のMです。
5月に入って名古屋は汗ばむ日もありますが先日訪れた盛岡の今日の最低気温は2.4℃とのこと!
今日は霙交じりの雨が降っているとのことです。日本は縦に長いことを改めて感じました。(この原稿の作成は日は2023年5月8日です)

資源価格の高騰で苦戦中

さて・・・当社の営業部は、数年前から続く原材料やエネルギーコストの増加に伴う値上げで走り回っております。
当社は様々な包装材料(段ボール・鉄・プラスチック・木材)を取り扱っており、各素材の材料価格の変動が順番にめぐってくる状況で、営業にとっては「一難去ってまた一難」という状況。とはいえ安定供給を継続するため、お客様には日々それぞれの素材の価格アップの背景を説明し、ご理解とご協力をお願いしている状況です。
  そんな中、最近よく聞く質問が「アイロップさん、今回の段ボールの値上げは㎏いくらのUPなんですか?」というもの。 
段ボール製品の業界人にとっては、段ボール価格は平米単位で考えるのですが、なぜお客様は重量を単位にした質問をされるのでしょうか? 
今回はその謎に迫ってみたいと思います。 
段ボールは平米単価なんですけど・・・?

重さで聞かれる理由とは?

価格情報でお客様の多くが参考にされるのが 日本経済新聞の記事ではないでしょうか。デジタル版の記事で「段ボール 板紙価格」で検索すると価格の単位は〇〇円/㎏で記載されているものが多くみられました。また段ボール価格に影響を与える古紙価格も〇〇円/㎏と書かれています。kg単位で価格を質問される要因はこの辺にありそうです。 

段ボールシートは製品です

段ボールケースの材料は、波状の紙(中しん)を平面の紙(ライナ)でサンドイッチした「段ボールシート」です。 シートを作る為には、紙を波状に加工したり貼り合わせる為の接着を行います。
製造に使用されるコルゲーターの生産能力を説明する時の単位は面積です。加工費も面積単位です。よって、段ボールシートの原価は以下の通りになります
  • 平米当りの工賃(接着剤 貼り合わせに使用したエネルギー)
  • 平米当りに使用した原紙のコスト
  • 平米当りの輸送費用
この為、段ボールシートは平米単価で計算された一枚あたりの価格で販売されています。
コルゲーターは紙を加工しながら貼り合わせる設備です

段ボールシートの重さはどうやったら分かるのか?

原紙から段ボールシートに加工されることで、重量単価から平米単価に変わることが分かったところで、段ボールシートの重さの計算方法について説明したいと思います。
単純に重さを測る場合は秤に乗せて測定します。アイロップの包装技術部でも試作用シートを受け入れる際に行っている実用的な方法です。
この他に計算することで重量を算出することが可能です。紙の重さは坪量と言われ、1㎡当たりの重さをgで表示します。シートの構成にあわせて足し算をします。
K’170g×中しん120g×K’170g A段 の1㎡の重さは 170g+120g+170g=460g だぜ!と思った人は残念ですが不正解。 中しんは波状になっています。その為、段ボールシート1㎡に使われる中しんは、1㎡以上になります。
急に難しくなってきたぞ ( ゚Д゚) と思った皆さん心配めされるな!

波の面積を計算しよう! 

段ボールシートを剥がさずに面積を求める方法があります。これが 段繰率(だんぐりりつ)という値を使う計算方法です。 
上の例題にあるA段の段繰率は1.6です。よって、中しんの重さは、120g×1.6=192gです。これにライナの重さを加えると・・・
  170g+(120g×1.6)+170g=532g になります。理解できれば簡単ですね。 
AB段を剥がして長さの違いを確認しています
お話が少し長くなってきたので、今回の 営業のちょっとイイ話 は、ここで一旦終了です。
A段以外の段繰率は、アイロップの包装用語集「段繰率」で紹介しています。

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会社概要 包装設計 の情報など、色々紹介しています。詳しくはアイロップ株式会社のトップページからご覧ください

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