駐在員による中国現況レポート②

Vol.112

2020年5月12日

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2月号のアイロップインフォメーションでは、春節を上海で過ごす現地社員から、新型コロナ発生時の中国の情報をお伝えしました。
今回は、日本から上海に戻った駐在員が体験した、中国入国後の14日間の自宅待機など、中国政府の感染拡大を防ぐ取り組みと、現在の生産現場の状況についてお伝えします。

外国人の中国入国について

日々状況は変化しておりますが、現在、3月28日より外国人の入国は停止になっています。
当社社員が3月10日に中国へ入国した際は、まだ外国人の入国が許可されていましたが、入国後2週間の自宅待機が義務付けられました。
空港で体温検査などの検査をした後、政府の用意した専用バスに乗せられ、家まで送られたとのこと。

自宅待機の間は居委会と呼ばれるマンションの管理者監視の下、自宅から一歩も外に出られない生活に。

『毎日体温報告の義務を課せられ、またエレベーター前に取り付けられたカメラにより、自宅の扉から外に出ないよう始終監視されており、一度疑われて居委会から連絡が入りました。』

一方でゴミ出し、食料の配給、出前の受け取りなど全て居委会が取りはからってくれ、不便な生活を助けてくれたそうです。 

エレベータ前に取り付けられたカメラに写った人物と間違えられ、居委会からWechatに連絡が入る徹底ぶり。

政府による徹底した管理

2週間の自宅待機後、医師による診断を受け、晴れて隔離解除となった当社駐在員。
さっそく蘇州へ出張し、取引先の工場を訪問することになりましたが、これがまた一苦労だったようです。
まず、工場を訪問するにあたり、事前予約と書類の提出が義務付けられ、またその都市に対応した“健康コード”の取得が必要とのこと。  
“健康コード”とは、建物に入る際に必要なコードであり、その人の感染状態が色分けで分かるようになっているもので、客先や工場への訪問の他、ホテルに宿泊する際も提出が必要とのこと。
全市民が取得・登録を義務付けられ、犯罪者の摘発にも役立ったそうです。

市民生活

市民の足である地下鉄、バスは通常どおり運行しており普段と変わらない日常生活が送れているとのこと。
普段と違うことは、ショッピングモールやスーパーに入る際には、健康カードの提示と体温チェックが行われていること。
ただスーパーには食料も豊富にあり人々の数も普段と変わらないそうです。
しかし全般的に各店営業時間を短縮するなどしており、人の入りは少なめ。
よって各店従業員を減らすなどの対応を迫られており、なかには閉店する店も出ているようです。

コロナ禍の中国②
ショッピングモールやスーパーの入り口では、体温測定が行われている。

出前アプリでは、出前バイクのドライバーの体温が表示されている。

自粛ムードのなかやはり出前の需要が高く、当社社員もアプリを使って出前をよく利用するとのことですが、アプリでは出前バイクのドライバーの体温もチェックすることができるそうです。

生産現場、物流の状況

蘇州にある当社の取引先工場はほぼ100%復興しております。
地元に住む従業員が多く勤務する工場は早い段階で復興を遂げられましたが、地方出身者の多い工場では復興が遅れているようです。
国内の物流に関しては、湖北省などの封鎖地域を除けば、封鎖されている場所も関所も無くなっており、通常稼動しています。
高速道路も解放され、5月までは無料で利用できるそうです。
納品はドライバーの事前申請が必要ですが、健康コードの提示および体温チェックで可能となっています。
国外の物流に関しては、海上輸送は復帰しておりほぼ問題ないですが、航空便は便数減少が影響して遅れが生じることが多く、価格も通常よりかなり高くなっているようです。
今のところ、航空便よりもフェリーの方が確実で早い状況ということです。


当社駐在員による現地レポート、いかがでしたか?
中国政府の管理の徹底振りと、ITの普及振りに驚きますが、日本もこれくらいやる必要性が出てくるかもしれませんね。
同時に日本社会のIT普及の遅れを感じざるを得ませんが。。。

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