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今さら聞けない” 落下試験 ” 落下高さはどうやって決めているのか?ルールについて説明します
Vol.123
2021年4月12日
包装貨物試験の中でも有名なのが「 落下試験 」ではないでしょうか。貨物を本当に落として内容物の破損状態を確認するのは、ちょっとダイナミックですね。
JIS規格Z 0200(包装貨物ー評価試験方法通則)には、落下試験 の方法について記載されています。それによると貨物の重量とレベルによって、落下高さを設定することになっています。しかし、レベルと言われても、ピンとこない人が多いのではないでしょうか?何度も試験を行って経験値がたまると『レベルアップ』するのでしょうか・・・。まずは 落下試験 とは何か?という事から見ていきましょう。
落下試験 とは
輸送中に貨物が受ける動的なダメージには、振動・衝撃・圧縮があります。
落下試験 はこの中でも、衝撃に対する試験です。外的な衝撃とは、輸送機関が原因で生じるものは少なく、あったとしても衝撃レベルは少ないと考えられます。対して人が荷役作業中に発生させることが多いと考えられています。
そこでポイントになるのが、”人”が要因であることです。 落下試験 というからには、やはり「人が誤って落とす」ということを想定せねばなりません。
「貨物落とせば事故ですよね・・・。」という人もいるでしょう。しかし、落とす人は運送会社の人とは限りません。店舗で商品を購入した人が家に帰るまでの間に誤って箱を落としてしまうこともあるはずです。そのような場合にも、中の商品が壊れないようにする必要があります。
では、 落下試験 で衝撃をシミュレーションする”落下高さ”はどのように決めているのでしょうか?
人が落とすということで、梱包の大きさや貨物の重さでその高さは決まります。
人が容易に持ち上げることの出来るサイズで、重量が5 ~15kg以内の物は、比較的高く持ち上げられる可能性があります。
対して、比較的重く、人が持ちにくいサイズの貨物の場合は、あまり高くまで持ち上げられません。
これらの事を考えて作られたのが、JIS規格の0200(包装貨物ー評価試験方法通則)にある”落下高さ”に、なります。
JIS規格を見てみると
それではJIS規格についてみていきましょう。下が、 落下試験 の時に使用する高さを書いた表です。
貨物の重さ(kg) | レベルⅠ | レベルⅡ | レベルⅢ | レベルⅣ |
---|---|---|---|---|
10未満 | 80cm | 60cm | 40cm | 30cm |
10以上~20未満 | 60cm | 55cm | 35cm | 25cm |
20以上~30未満 | 50cm | 45cm | 30cm | 20cm |
30以上~40未満 | 40cm | 35cm | 25cm | 15cm |
40以上~50未満 | 30cm | 25cm | 20cm | 10cm |
50以上~100未満 | 25cm | 20cm | 15cm | 5cm |
先ほど説明した通り、貨物が軽いほど高い所から落とされる可能性があり、JIS規格にもそのことが反映されています。加えて物流環境をレベルⅠ~Ⅳとランク分けも行い、重量と物流環境の関係から、落下高さを決めるようになっています。
レベル | 内容 |
---|---|
Ⅰ | 転送積み替え回数が多く、非常に大きな外力が加わるおそれがある場合 |
Ⅱ | 転送積み替え回数が多く、比較的大きな外力が加わるおそれがある場合 |
Ⅲ | 転送積み替え回数及び加わる外力の大きさが、通常想定される程度の場合 |
Ⅳ | 転送積み替え回数が少なく、大きな外力の加わるおそれがない場合 |
「うーん、抽象的!」ではありますが、一応この文書を参考に、自社の輸送方法・輸送経路をイメージしながら、最適な試験条件を設定してください。
例えば、日本国内への出荷と海外への出荷の場合は、同じ商品でも輸送方法や輸送時間が変化するはずです。また、日本国内でも工場から直接お客様へお届けする場合と、運送会社の物流センターを何度か経由する場合で、外的ダメージの発生頻度が変化します。
このような情報を確認しながら、自社の商品・物流にあった「レベル」を考えてみてください。
弊社では各種包装貨物試験を行っています。「落下高さが決められない」というお悩みについても、お客様の輸送状況・物流環境をヒアリングし、一緒に試験方法を検討させていただきます。
「包装・物流の困った」ときは、アイロップにご相談ください。
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