いまさら聞けない ロジスティクス

Vol.136

2022年4月12日

シェアする

twitter facebook LINE


物流の英語がロジスティクス?

これは、正しくありません。物流を英語に翻訳するとphysical distribution​(フィジカルデストリビューション)になります。distributionとは配分、配給、散布、分配、流通​という意味です。physicalとは物質的という意味で、この二つを組み合わせると物的流通すなわち物流となります。

ロジスティクスの起源

物流の英語がロジスティクスではないことはわかりましたが、それではロジスティクスとはなんでしょうか?
元々ロジスティクスとは軍事用語で兵站(へいたん)と言い、後方から前線部隊に対して、銃器や弾薬、食糧、衣服、薬などの軍需物資を補給する後方支援活動として位置付けられていました。戦闘の激しい地域により多くの武器や食料を届けることが出来なければ、戦闘能力は落ち、兵士の生命が危うくなるからです。そのため、前線の状況を把握し必要な物資を適切に届けるために、ロジスティクスが重視されるようになりました。
現在の日本でもロジスティクスは活用されています。例えばコンビニエンスストアは天候や(近所の学校の運動会など)近隣で行われるイベントによって、お弁当の発注数を変えています。またスーパーなど大手流通会社はPOSレジによる販売データの収集により、都道府県ごとの売れ筋商品を調査し仕入れ数量の検討に活用しています。このような販売店での受注管理はロジスティクスの一部です。

ロジスティクスとはマネジメントです

物流とは商品の輸送や保管を行う活動になります。
それに対し、ロジスティクスは商品を効率的に消費者に届ける活動全般のマネジメントと言えます。
例えば、

  • 商品をどこに送ることがより効率的であるか
  • 商品を何時どれだけの数量製造するのか
  • 商品の生産に必要な原料や部品をどのように調達するか

これらの内容をトータルに考え、生産や輸送を最適化していきます。
その結果、商品を製造するメーカーは、商品が店舗で途切れなく納品することで販売チャンスを逃す事を最小限にし、作りすぎた商品を廃棄する無駄がなくなります。

企業はロジスティクスを活用することで、

  • 物流コストの低減
  • 売上の増加
  • 生産関連コストの低減

が可能となり、企業競争力をより高める事が実現されることになります。
海外の企業では経営トップの直属にロジスティクスチームを置かれる場合もあり、現代の企業運営を支える重要な機能として位置づけられるようになっています。

SDGsにもロジスティクスを!

ここまで書いてきた内容を見ると、ロジスティクスは企業の為のものに見えますが、持続可能な社会の実現のために有効な考え方です。ロジスティクスの基本は、あくまでも消費者の情報です。どのような商品が消費されるのか。その商品はどのように輸送されると効率的なのか。需要に対して生産数量はどうあるべきなのか?などなど、かつての大量生産による供給過剰とは異なり、資源や労働力を効率よく配分することにつながる考え方だからです。

今回のアイロップインフォメーションはいかがだったでしょうか?ロジスティクスの有効性についてご理解いただけたら幸いです。
他にもアイロップのホームページでは物流や包装に関する情報を紹介しています。他のページもぜひご覧ください。

無料 包装診断サービス 〜包装設計のプロがあなたの会社の梱包を診断します〜

シェアする

twitter facebook LINE