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天地無用 にご用心 指示マークの世界
Vol.145
2023年2月1日
荷物を運んでもらう時、大切に運んで欲しいと思って貼るのが、注意ラベル(ケアマークとも呼ばれます)特に百貨店からの贈り物が(花瓶など)壊れやすい物の場合、目立つように貼ってあるのが「天地無用」の真っ赤なラベルです。しかし、天地無用に危機が訪れていることを皆さんはご存知でしょうか。
天地が無用なので逆に置いても大丈夫
本来天地無用とは「上下を逆にしてはいけない」という意味なのですが、これがだんだん通用しなくなっているそうです。多くの方に誤解を与えているのは無用の部分です。無用にはいくつか意味があり、「役に立たない・不要」と「してはならない」という禁止の意味で使われます。しかし、最近では無用よりズバリ「禁止」と書かれることが多くなっています。「立ち入り無用」と言われて皆さんは意味が分かりますか。「立ち入り禁止」と同じ意味だと言われて、やっとわかったという方もいるのではないでしょうか。そして、「天地無用」に使われる無用も禁止の意味で使っています。「上下を逆にしてはいけないと」いう事ですね。しかし、これは包装貨物に使用する用語の為、一般の方にはますます馴染みのない言葉になっているのかも・・・。
最近では上方向の意味も加えた上のイラストのような「天地無用ラベル」が存在しますが、昔ながらの縦長で「天地無用」と書かれたラベルの場合は、「上下どっちが上でもいいんだ」と誤解される可能性があるんですね。これって結構危ないかも・・・もちろん運送業者さんはご存知なので心配無用ですが、荷物を受取る個人の皆さんはお気を付けください(^^♪ ちなみに心配無用の無用は不要の意味ですね。無用の使い方にはご用心ですよ! ( ゚Д゚)
指示マークとは
先ほど紹介した「天地無用」は、JIS規格 Z0150 にある包装貨物の荷扱い指示マークになります。JISは日本固有の物ですので、海外に行くと意図が伝わらない場合もあります。その為現在はISO 780(Pictorial marking for handling of goods)に近づけた内容にしているそうです。確かに、荷物を受取ったアメリカ人が「天地無用」のラベルを見ても???となるだけですよね。
上にあげた2枚のイラストは「壊れもの」「水濡れ注意」のマークです。これらのマークは、一般的に外装容器に印刷したり、刷り込むことが必要です。マークの周囲には枠があっても無くても大丈夫だそうです。また、色は黒色が標準で、必要に応じて赤やオレンジ色も使ってよいそうです。黒って目立たないような気がしますが、木箱などにも同じマークを使用するので、使用するインクの都合など考えると合理的なのかな??? 知ってるようで知らないルールがあるんですね。
マークの大きさは、高さが100㎜、150㎜、200㎜となっていますが、貨物の大きさによっては変えても良い様です。更に図柄のタテヨコの比率も見やすい様に変形が可能。他にも色々注意点はありますが、パレタイズ(パレットへの集合包装)の場合は、見やすい事!が大切です。箱に印刷されたマークが、積んだ荷物の陰で見えにくいと意味がありません。段ボールケースの長側面・短側面の両方に指示マークが印刷されているのは、どちら側からでも見えるようにしているんですね (#^^#)
マークの大きさは、高さが100㎜、150㎜、200㎜となっていますが、貨物の大きさによっては変えても良い様です。更に図柄のタテヨコの比率も見やすい様に変形が可能。他にも色々注意点はありますが、パレタイズ(パレットへの集合包装)の場合は、見やすい事!が大切です。箱に印刷されたマークが、積んだ荷物の陰で見えにくいと意味がありません。段ボールケースの長側面・短側面の両方に指示マークが印刷されているのは、どちら側からでも見えるようにしているんですね (#^^#)
色々ある指示マーク
英国諜報部員のジェームズボンド(007)やデューク東郷(ゴルゴ13)の使用するライフル銃の照準器のようなこのデザイン、一体何だと思いますか?これは重心位置を示すマークです。大きな木箱は移動中にバランスを失うと、落下することも考えられます。そのため。機械など重たい物の落下事故を防ぎ安全に運ぶ為に必要なマークです。
これはビックリ転がし禁止のマークです。日本では転がして荷物を運ぶ事はほぼ無いと思いますので、ピンと来ないかも知れませんが、大きな貨物であれば、一面ずつ倒しながら移動させることがあるんでしょうね。実は、世界中で貨物の手積み手卸は今でも行われています。(日本も例外ではありません)特に発展途上国では海上輸送コンテナに手積みで荷物を入れる事は普通に行われています。人による荷役を考えると「転がし禁止」も必要な指示なのでしょう
包装物品の取り扱い注意マーク
さて、上のイラストで注目して欲しいのは、三角にビックリマーク(!)の入ったマーク。これが注意マークと言われるものです。JIS Z0152によると、主として一般消費者が包装貨物を取り扱うときの安全確保のために、包装の表面に施すものとなっています。注意マークの黄色は無くても問題ないようです。因みに「警告」と「注意」はそれぞれ意味があり、警告の方は、荷扱いを誤った場合、包装物品の取り扱い者が重大な傷害を負う危険が予想されるとなっています(注意の場合は重大という言葉が入っておりません)。 警告>注意 という事なので、注意マークを見た時は、横に書かれた漢字もしっかり読まないといけませんね。
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