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リチウムイオン電池梱包の話
Vol.148
2023年5月2日
3月に東京ビッグサイトで行われた、電気自動車関連の展示会に当社の海外協力メーカーNEFAB社さんが出展し、リチウムイオン電池(以下 LIB)の梱包材を展示しました。
見学に行った社員の話では、ブースを訪問している人も多く注目度の高い展示だったそうです。
サンプルをいただきました
さて展示会終了後、サンプルを東京から大阪のアイロップ本社まで送っていただきました。当社も販売パートナーとして古くからNEFAB社の商品を見てきましたが、LIBは初めて。色々と気になる部分がありましたが、何よりも驚きだったのは、箱の側面に謎の扉があること。さらに大きく目立つUNのマーク。LIBは航空機への持ち込み制限も厳しく、爆発するという話も聞きますが、何がそんなに危険なのでしょうか
リチウムイオン電池は危険?
インターネットで調べてみるとLIBは取扱い注意の商品の様です。エネルギー密度
他の電池より多くの電気を貯めることが出来る、すなわちエネルギーが沢山入るという事。言われてみれば危険かも。過充電で高温環境に置かれると発火する可能性があるそうです。自己放電
自然と電気が抜けていくのですが、放電し過ぎると電解質が酸化しガスが発生。ここに強い力が加わると極材同士が反応し、発熱⇒発火⇒爆発するそうです。未使用時の管理
という訳で、LIBは充電し過ぎは危険、電気を抜いておいても危険という事です。写真の木箱も、中には断熱マットが敷き詰められ、横の小窓は電池内の電気量の管理のために使われるそうです。今ではスマホから電気自動車まで幅広い分野で活用されていますが、使わない時ほど注意が必要なんですね。
UNマークとは
LIBは国連によって危険物クラス9に分類されています。危険物のクラス1は火薬類 2は高圧ガス クラス9はその他の有害物質に当たり、輸送中に注意が必要な物となるそうです 中の商品ごとに検査を行い合格する必要があるそうです。アイロップにも舶用品検定協会の方が来て、試験されることがありますよ
(*’▽’)
NEFAB社のアプローチ
LIBの輸送には注意が必要なことが分かったところで、NEFAB社の提供するLIB梱包材について紹介します。LIBはセル・モジュール・バッテリーパックなどのタイプがあり、下の図のように色々な物流が存在します。NEFABは国連の認定を受けた既存のLIB電池梱包容器の他に、商品やタイプごと、また物流に合わせた設計が可能です。各種テストも対応しています。紙と木材で出来たLIB梱包容器
先に、木箱をお見せしましたが、紙素材をベースにした梱包材も当然あります!それが下の商品「エッジパックストロー」です。天キャップと胴枠のスリーブは、段ボールで出来ています。段ボールシートは外国製なので、強化段ボールのようなライナ+強化中芯を貼合した、ABフルートの構造。内装の段ボールも同様に丈夫なライナが使用されています。また、モジュールを直接載せるトレーは(多分)パルプモールド。表面がきれいすぎてプラスチックのトレーみたいです。
そして、段積み時の強度アップに使われているのが、ストローボードコーナーです。いわゆるペーパーアングルみたいなものですが、詳しくは後ほど。
こちらの段ボール容器は実際に使用されているもので、中国から欧州への輸送に使用されているそうです。海上輸送10,000㎞+トラック輸送900㎞の距離を運ばれており丈夫です。(すみません 海上輸送距離1,000㎞と記載しておりましたが10,000㎞の間違いでした 訂正いたします・・・地球って大きいなあ)
ストローボードコーナー
ストローとは名前の通り収穫後の稲わらです(スタバのストローが紙になったよ・・・みたいな話ではありませんよ)稲わらは木材パルプに比べ繊維は短く柔軟性はありませんが、非常に硬いという性質を持っており、耐圧縮強度に優れたコーナー材が製造可能です。また繊維素材なのでリサイクルが可能であり、有害物質を含まない天然素材です。
ボードにVカット加工を行い折り曲げて使用するため、保管にも便利そうですね。
ストローボードコーナーを使っても、梱包材の折畳は可能で便利 さらに段ボールケースの耐圧強度がパワーアップするという事ですね。
NEFAB社はスウェーデンに本部がある会社なので、ヨーロッパの環境事情にも詳しく、ユニークな商品がそろっています。次回は、NEFAB社の取り扱う環境対応商品をご紹介します
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