オスとメスだけじゃない!?知らなくて失敗した
マジックテープの話

Vol.152

2023年8月2日

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面ファスナーとマジックテープ

皆さんは、「マジックテープ」と「面ファスナー」についてご存知でしょうか?多くの方がこの言葉を聞いたことがあるかと思いますが、実は「マジックテープ」は株式会社クラレの登録商標であり、正確には「面ファスナー」と呼ばれるものなのです。

この便利なアイテムを発明したのはジョルジュ・デ・メストラルさんです。彼は愛犬と一緒に狩猟に出かけた際、自分の服や犬の毛にたくさんの野生ゴボウの実がくっついていることに気づきました。その原因を調べた結果、ゴボウの実の表面にある鉤爪(フック)が衣服や犬の毛に絡まっていたことがわかりました。ここからヒントを得て、「面ファスナー」が誕生したのです。

株式会社クラレは、この自在に着脱できる便利なアイテムを「魔法のテープ」と称し、「マジックテープ」として販売しています。

なるほど ( ..)φメモメモ

マジックテープのオスとメス

マジックテープは、表面に硬いフック(オス)と柔らかいループ(メス)の2つの構造があります。

この2種類の面を押し付ける事で、オスの方の細かなフックが、メスの方のループ状になった部分に引っかかることでくっつきます。

因みに、フックになっている方をA面、ループの方をB面とも呼ぶそうです。

B面にはループの他に、より強力にくっつく「モヘア」と呼ばれるものがあります。さらに、フックとループの両方が同じ面に存在する「フリー」タイプも存在します。

フック以外にもキノコ形の突起を引っ掛けるタイプもあります。マジックテープについては呼び方や構造に複数のバリエーションがあります。そのため、過去には指示を間違ったことがあるそうです。

フックとループ構造の違い
フリーの構造 フックとループの両方が同じ面に存在します

A面とB面を知らなくて・・・

マジックテープの『フックはオス、ループはメス』としか認識していなかった設計者。防塵カバー付きのスチール台車を設計した時に問題が発生しました。

カバー側と台車側の両方にメス(ループ)のマジックテープが取り付けられており、カバーを閉じても台車にくっつかず、固定できなかったそうです。

原因を確認した所、図面の記載内容に問題が点が見つかりました。カバー側にオス(フック)のマジックテープを取り付けるところに、マジックテープBと書いていたのです。

この台車に使用する防塵カバーには2種類の長さの異なるマジックテープが使用されていました。設計者はこれを区別するため『マジックテープA』と『マジックテープB』としたのですが、製造した人は『B=メス(ループ)』だと考えてしまったそうです。

最初に指示した時の図面です
間違いが発生しないよう番号表示に修正しました 細かな事ですが大切な作業です

まとめ

もちろんこの設計者も部材表にはオスと記載していたので、製造した人も「気づいてよ」って思いますが・・・どっちが悪いとは言い難いですよね。

しかし、この記事の為にネットで調べていると、『フック(A面・オス) ループ(B面・メス)』と書かれた資料も出てきたので、マジックテープ業界ではこれらの呼び方は当然の事の様です。

このような事例からわかるように、設計図での正確な指示が大切なのは包装資材や物流機器の製造においても同様です。当社では発生した問題に真摯に向き合い、失敗事例であっても情報の共有や知識の継承に努め、お客様に満足していただける商品を提供できるよう取り組んでいます。

もし包装容器や物流機器に関するご相談がありましたら、経験豊富なアイロップ株式会社にお気軽にご相談ください。

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