トラックの安全対策が強化されたお話し

Vol.160

2024年4月7日

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荷役作業の安全対策がかわります

みなさんもご存知の通り、物流の現場では日々 様々な安全対策が行われています。今回の話題はトラックの貨物の荷役作業のルールが変わることについて紹介します。
荷物の積み卸し作業は「荷役」と言われ、トラックドライバーの頻繁に行う作業です。荷物の上げ下げだけでなく荷台への荷物の固定も行われます。これらの作業の安全対策が強化されたと言われていますが、どのように変わるのでしょうか。

2t以上5t未満のトラックにも安全対策が必要になります

従来の5t以上のトラックでは昇降設備や保護帽の義務がありましたが、令和5年10月以降は2t以上のトラックまで拡大されました
そこで日本の貨物トラックの台数を調べてみましたが、約570万台以上のトラックが対象になるとの事 5t以上のトラックの数と比べていただくと分かりますが、凄い台数ですね

  • 10t以上(大型トラック) ・・・約62万台
  • 5t以上~10t未満(中型トラック)・・・約74万台
  • 2t以上~5t未満・・・約571万台

国土交通省 「自動車統計年報」 全日本トラック協会「統計資料」による

昇降設備とは?

トラックの荷台に上り下りする時に使用されるのが昇降設備です これを2t以上5t未満のトラックにも必ず設置して下さいという事です 元々昇降ステップのあるトラックは問題ありませんが、無い場合は踏み台などを準備する必要があります
昇降台が必要される目的について、労働安全規則では以下のように記載されています

(昇降設備)
第151 条の 67 事業者は、最大積載量が 二トン以上 の貨物自動車に荷を積む作業(ロープ掛けの作業及びシート掛けの作業を含む。)又は最大積載量が 二トン以上 の貨物自動車から荷を卸す作業(ロープ解きの作業及びシート外しの作業を含む。)を行うときは、墜落による労働者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者が 床面と荷台との間及び 床面と荷台上の荷の上面との間を安全に昇降するための設備を設けなければならない。
2 前項の作業に従事する労働者は、 床面と荷台との間及び 床面と荷台上の荷の上面との間を昇降するときは、同項の昇降するための設備を使用しなければならない。

床面と荷台の間を労働者が登ったり下りたりする時に、墜落や転落の事故が多く発生していることが、今回の対策強化の要因です。その為、荷物を固定する作業を行う時など荷台からの落下事故を防ぐ安全対策をして下さいという事ですね。

踏み台のイメージ

昇降設備で注意が必要なテールゲートリフター

荷台への荷物の積み下ろしに利用されるテールゲートリフターは台車で荷物を移動できるのでとても便利です。このテールゲートリフターを床面と荷台の中間位置に停止させてステップとして使用する場合は、昇降装置として認められるそうです。しかし、製造メーカーがテールゲートリフターの動作時に作業員の搭乗を認めていない場合がありますので、動作時と停止時の使い分けには注意が必要です。

保護帽はヘルメットの事

荷物の積み卸し作業を行う時の労働者保護の為に使用するのが保護帽(ヘルメット)です これも昇降設備同様に2t以上5t未満の貨物トラックでの荷役作業時には着用する必要があります トラックの種類も平ボディ車、ウイング車等となっていますので、一般的な貨物トラックでの荷卸し作業にはほぼ必要ですね
なお、保護帽は「墜落時保護用」の物と指定されています

保護帽の種類

用途に合わせて色々なヘルメットがあるそうです

  • 飛来・落下物用保護帽
    頭上から落下する物から頭部を守るために使用されます 帽体は硬質樹脂製で、衝撃吸収ライナーが内側にあります 主に土木建築現場や工場などで使用されます
  • 墜落時保護用保護帽
    高所作業で墜落した場合の頭部への衝撃から守るために使用されます 飛来・落下物用保護帽よりも衝撃吸収性能の高い帽体と内装を備えています 高所作業員や鳶職など、高所作業を行う作業員が使用します
  • 電気用保護帽
    感電から頭部を守るために使用されます 帽体は絶縁性の高い樹脂製で、電気を通さない内装がされています 電線作業や電気設備の保守作業などで使用されます
  • この他にも、消防士、警察官、救急隊など色々な保護帽があるそうです
    因みに、ヘルメットなど安全製品を扱っているホームページを見ると、飛来・落下物用保護帽のテストより、墜落時保護用保護帽のテストの方が厳しい内容になっています 購入する時は確認が必要です

    私もよく知らない分野のテーマだったので、色々調べながらメルマガに纏めてみました 身近で見かけるトラックでの荷役作業の注意点や、安全対策に求められるポイントなど勉強になりました 今後も、包装に限らず、物流にまつわるテーマの発信も頑張ってきたいと思います

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