改訂JIS Z 0200
包装貨物性能試験内容が改正されました
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Vol.153

2023年9月6日

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秋と言えば『ハロウィン!』包装貨物の試験と言えば『物流過程のハザード!』という事で、バ〇オハザードをもじって、パックハザードというロゴイラストを作ってみました。
今年は9月になっても毎日猛暑続き。残暑を乗り切る背筋ゾクゾク企画として、今回のアイロップインフォメーションは、物流過程のハザードをホラーテイストのイラストで紹介します。

趣旨説明が終わったところで、本題に入っていきたいと思います。

JIS Z 0200とは

「包装貨物-性能試験方法一般通則」の事です。えー全然わからないよって方の為、順番に説明していきます。

包装貨物とは、商品が梱包された状態の事です。そして包装の大きな目的は物流で発生するダメージから商品を守ること。すなわち、出荷された商品が無事に消費者に届くよう保護する事です。(その他にも包装には色々な機能がありますが、今回は省略します)

しかし、商品の物流における「輸送」「保管」「荷扱い」では色々なハザード(危険な状況)が発生し、商品にダメージを与えようとします。そこで、包装がこれらのハザードから商品を保護する性能を満たしているかを試験で確認する必要があります。

では、どのような試験をしたら性能を確認できるのでしょうか?JIS Z 0200では、輸送中に発生するハザードの種類「振動」「衝撃」「圧縮」の情報と、これらに対する試験方法や考え方についても記載されています。

まさに工業包装の性能評価におけるバイブル的存在なのです

ハザードその1 急ブレーキ(水平の衝撃が貨物に加わります)

どのようなハザードがあるのでしょうか?

JIS Z 0200に紹介されている試験に関連するハザードを紹介します

輸送

  • 飛び跳ねによる繰り返し振動
  • 急停止や急発進による水平衝撃 鉄道貨車の連結時の水平衝撃
  • 輸送中のストレス

トラックによるガタガタ震える振動に加え、急ブレーキなども試験の対象になります

荷役

  • 人的荷役や機械荷役による落下衝撃
  • フォークリフト コンベヤ クレーンによる水平衝撃

いわゆる「落としちゃった」や「ぶつけちゃった」で商品が壊れないようにする試験が行われるでんすね

保管

  • 倉庫内での積み重ね保管における圧縮荷重

下に置かれた貨物が壊れバランスを失うと多くの貨物が落下し被害が大きくなります。必ず行っておきたい試験です。

以上代表的なものですが、これ以外にも温度や湿度の影響、荷物を転がした場合といったことも書かれています。

ハザードその2 荷物を落とす(落下衝撃が貨物に加わります)

JIS規格2023年版の改正の経緯

やっと本題ですね。このJIS規格は1973年に初版が発行されました。その後、物流の変化や試験技術の高度化に適合するため何度も改正が行われてきました。そして最新版が2023年に登場、7回目の改正です。

今回の改正の経緯ですがISO(国際標準化機構)に関係しています。ちょっと補足説明をしますと、ISOとは国際標準化機構の略で、国際的に受け入れられた規格の事です。当然包装貨物の品質についての規格もあり、日本でのJIS Z 0200に対応するのはISO 4180です。

このISO 4180は、1980年に初版が発行され、その後何度かの改正が行われましたが、2009年の改正で試験条件が厳しくなり、日本の実際の輸送環境との乖離がありました。その為、ISO 4180をそのままJISに反映させてしまうと、包装材料使用量の増加や輸送効率の低下を招き、日本では経済や環境に負荷を与えると判断されました。そこで、JIS規格に直接盛り込まず、付属書としてISOの規格を載せる事にしたそうです。うーん気持ちはわかりますが、これはなかなか複雑な状態ですね。

しかし、このままには出来ないという事で日本からISOに提案を行い、その内容が反映されISO 4180:2019として改正されました。この改正を受け、JIS規格にISOの内容を反映したのが、JIS Z 0200:2023なのです。物流グローバル化の背景には様々な物語があるんですね。

ハザードその3 荷崩れ(発生原因は色々ありますが、貨物の最下段の箱の潰れには注意が必要です)

まとめ

ISOとJISにこんな関係があったとは、みなさんご存知でしたか。日本からISOに提案をしていることを知らなかったので、びっくりしました。それでは改正された内容について紹介したいのですがちょっと長くなってきたので、続きは次回お届けしたいと思います。

もし包装容器や物流機器に関するご相談がありましたら、経験豊富なアイロップ株式会社にお気軽にご相談ください。

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